外来で「先生は、ブルーライトカット眼鏡をどう思いますか?」という質問をいただくことがあります。
近年、デジタル機器の普及に伴い、液晶画面から発せられるブルーライトについての議論が盛んになってきました。その中で、小児にブルーライトカット眼鏡を装用させることを推奨する動きが一部にありますが、2021年4月に日本眼科学会や日本近視学会、日本小児眼科学会など6団体から連名で「小児のブルーライトカット眼鏡装用に対する慎重意見」が公表されました。「こちら」に参考文献を載せていますので是非一読してください。
ブルーライト(可視光線のうち青色の光)とは、自然界の太陽光に含まれていますが、実際にデジタル端末の液晶画面から発せられるブルーライトは、曇天や窓越しの自然光よりも 少なく、網膜に障害を生じることはないレベルであり、いたずらにブルーライトを恐れる必要はないと報告されています。
特に小児の場合、近年世界的に問題視されている近視進行のことを考えると十分な太陽光を浴びないことは、小児の近視進行のリスクを高める可能性があります。
私の視点から思うことは、夜間のブルーライトはホルモンの影響により良質な睡眠の妨げになる可能性があるので、まずは、睡眠前のデジタル機器の使用を控えることが優先されます。それでも使用が避けられない場合に、ブルーライトカットの眼鏡を利用するのも良いのではと考えています。